親戚や知人が亡くなり通夜に参列しなければならなくなったものの、初めてでわからないことも多くどうしたらいいのか不安な場合もあるでしょう。

この記事では、通夜に適した服装・通夜の流れ・通夜のマナーなどについて詳しく解説します。事前に通夜の服装やマナーを理解し、通夜に参列する際の参考にしてください。

通夜とは？

通夜とは、遺族・親族・友人・知人などが、故人との別れを惜しみ冥福を祈るための儀式のことです。最近は、日中行われる葬儀・告別式への参加が難しい友人・知人などが、通夜にのみ参列することも多いです。

通夜は喪服・平服のどちらでもよい

通夜の服装は参列する立場により異なります・遺族は喪服を着用するがよいですが、友人・知人の立場なら、平服でもよいとされています。喪服で行くと準備していたと誤解される可能性があるため、「訃報を聞き駆けつけた」という意味で、平服の方がよいという考え方によります。

最近は、通夜だけ参列する人も多いため、喪服であっても問題ないと言う考え方もあります。

喪主か参列者かで決まる服装

喪服には格式があり、喪主か参列者かで決まります。

正喪服

正喪服とは、最も格式が高い喪服のことで、紋付羽織袴やモーニングスーツを指します。昔は喪主の多くが正喪服を着用していましたが、最近は正喪服を着用する人は減っています。

準喪服

準喪服とは、一般的な喪服、ブラックフォーマルのことです。通常は一般参列者が着用しますが、最近は喪主が着用することも多いです。

略喪服

略喪服とは、準喪服以外の地味な色のスーツやワンピースのことで、平服で対応可能です。

平服で通夜に行く際の注意点

黒や濃紺などのダークカラーで無地のスーツやワンピースを着用しましょう。柄物や派手なデザインの服装、ジーンズなどのカジュアルな服装、露出の多い服装は避けます。小物類は黒に近いダークカラーの物で、アクセサリーは一連の真珠のネックレスやブローチくらいにとどめ、靴は金具が少なくシンプルなデザインにしましょう。

通夜にふさわしい服装

通夜にふさわしい服装について、より詳しく解説します。

男性の通夜の服装

男性の通夜の服装は、黒・濃紺・ダークグレーで光沢のない生地のスーツにします。ジャケットはシングル・ダブルどちらでも大丈夫ですが、ズボンはシングルにしましょう。ワイシャツは白無地の長袖で、柄物は避けます。ネクタイ・靴下・靴・鞄は黒かダークカラーで、光沢・飾りのないものが適切です。

女性の通夜の服装

女性の通夜の服装は、黒・濃紺・ダークグレーのスーツかワンピースにします。肌の露出を避けるためにトップスの袖丈は五分袖以上に、スカートはひざ下丈になるものを選びましょう。ストッキング・靴下・靴・鞄も黒かダークカラーにします。また、高いヒールの靴やサンダル、きらきら光るような華美なアクセサリーは避けましょう。

学生の通夜の服装

学生が通夜に参列する場合、基本的には制服を着用します。ダークカラーでなかったり、柄物を制服に取り入れていたりする学校もありますが、学生服であればマナー違反とはなりません。通夜で制服を着る場合には、シャツをスカート・ズボンの中に入れ、スカート丈も校則通りにきちんと着用しましょう。制服がない場合は、地味目の服装で参列することをおすすめします。

子供の通夜の服装

子供が通夜に参列する場合は、制服があれば制服を着用し、なければ黒・濃紺・ダークグレーなどの地味目な洋服を着用します。男の子はブレザーとズボン、女の子はワンピース又は、ブレザーとスカートなどがよいでしょう。靴下やハンカチは黒か白の無地、靴は黒などのダークカラーにします。女の子の髪が長い場合は、低い位置で束ね、華美な髪飾りは避けましょう。

通夜の持ち物

通夜に持参すべき持ち物を3つ紹介します。

香典

通夜のみに参列する場合は、香典を持参します。不祝儀袋の表書きは薄墨で書きましょう。故人の宗派が不明な場合「御霊前」にすると、どの宗教でも使用できます。新札は通夜の準備をしていた印象になるので避け、新札しか用意できない場合は、折り目をつけます。

数珠

通夜に持参する数珠には本式数珠と略式数珠があります。本式数珠は宗派により異なりますが、略式数珠は宗派に関係なく使用できます。

ハンカチ

服装と同様に、ハンカチも白か黒の無地やフォーマルなものをおすすめします。色物や柄物、華美なデザインのハンカチは通夜の席では避けましょう。

通夜の服装で気をつけるべきポイント

通夜に参加する場合の服装で、気をつけるポイントを解説します。

メイク・ネイルなどは控えめにする　

メイク・ネイルなどは控えめにしましょう。濃い色のアイシャドウ・口紅・ネイルはしないことをおすすめします。

香水のつけすぎに気を付ける　

通夜に参列する際、香水はつけすぎに気を付けるか、使用を控えるようにしましょう。きつい香水の香りは人を不快にすることが多く、不謹慎だと思われる可能性があります。

動物の皮製品は持ち込まない　

殺生をイメージさせる毛皮やファーの付いたコート・マフラー・ストール、皮革のバッグ類は、会場には持ち込まないようにしましょう。

アクセサリー・小物は地味なものに　

基本的に、アクセサリーは結婚指輪以外を外します。例外として、女性がパールのアクセサリーを身につけるのは問題ないとされています。パールのアクセサリーを身につける際は、一連ネックレスか一粒タイプのピアス・イヤリングにしましょう。ハンカチや髪飾りなどの小物類も地味なものにしましょう。

通夜の流れ

安心して通夜に参列できるように、ここでは通夜の流れについて解説します。

受付・記帳

受付では、お悔やみの言葉を述べ一礼をし、香典袋を手渡します。住所・名前を芳名帳に記帳し、再度一礼します。

祭壇の前に着席

受付後、会場の案内に従い式場に入ります。一般的に祭壇に向かい右側に遺族・親族、左側に会社関係者や友人・知人などの一般弔問客が座ります。焼香の順番などで、座席が分けられている場合もあるので、係員の指示や誘導があれば従います。

僧侶入場・読経

時間になると僧侶が式場に入り、読経を始めます。読経は30分前後になることが多いので、椅子のない式場の場合は、足がしびれないような工夫が必要です。

焼香・法話

焼香は、通常、喪主・遺族・親族・一般参列者の順で行われます。遺族に一礼した後、焼香台の前で祭壇にも一礼し、焼香・合掌を行います。祭壇と遺族に一礼したら元の席へ戻ります。全員焼香が終わったら、僧侶より法話があるので聞きましょう。

僧侶退場・喪主挨拶

僧侶が退場すると、喪主が挨拶を行います。通夜へ参列した方への感謝、故人が生前お世話になったお礼などを伝え、翌日執り行う葬式などの案内が告げられます。

通夜振る舞い

通夜が終了すると、故人を偲ぶための食事の席「通夜振る舞い」があります。参加は必須ではありませんが、遺族から声を掛けられたらぜひ参加しましょう。通夜振る舞いでは、忌み言葉に注意して会話するよう配慮が必要です。

通夜で気をつけたいマナー

通夜の席で気をつけたいマナーを紹介します。

通夜が始まる10分前までに着くようにする

通夜に遅れないように、通夜が始まる10分前には斎場に着くようにしましょう。しかし、到着が早すぎると、遺族に迷惑を掛けることもあるので注意が必要です。遅くなる場合は、焼香が終了するまでには到着するように配慮しましょう。

お悔やみの言葉に気配りをする

お悔やみの際には避けるべき「忌み言葉」があります。「忌み言葉」は、不幸が重なるなど縁起の悪いことを連想させる言葉が多いです。遺族への挨拶などを行う際は、言葉に気を付けましょう。

通夜振る舞いでは長居をしない

通夜振る舞いは、故人を供養するために行われ、できれば参列すべきものですが、長居をしないように気を配る必要もあります。翌日には葬式などが行われるので、遺族が疲れないように配慮するようにしましょう。

まとめ

通夜の服装は、喪服の他、ダークカラーのスーツなどがおすすめです。持ち物も派手なものを避けダークカラーにするなどの配慮をしましょう。さらに、お悔やみ言葉など、参列の際に気をつけることは多いです。通夜に参列した際、遺族に不快な思いを与えないためにも、服装やマナーへはしっかり確認しましょう。

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